症状別説明（腰痛）

腰痛は、腰（その周辺）に痛みや炎症が起きた状態を言います。大半は仕事や生活上の問題で、突発的に発生しますが１～２ヶ月で落ち着きます。しかし、３分の１は慢性化し、後に重症化するケースも出てきます。
ひとえに腰痛といっても、大きく２つに分かれます。医学的に原因が特定しやすい特異的腰痛（椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症など）と、原因が特定しにくい非特異的腰痛です。特異的腰痛は全体の１５％程度で、非特異的腰痛は８５％と大多数を占めています。
一般的にいう「腰痛」は後者の非特異的腰痛を指します。
「慢性化」しやすい腰痛であることから、「慢性腰痛」とも表されます。
この慢性腰痛は、まず医療機関へ受診されるケースが多いですが、レントゲン上に診断に繋がる大きな問題が出にくいです。
なので、十分な対処に繋がらず不安を抱えたまま症状を放置してしまうことがよく見受けられます。
ここで間違えてはいけないことは、あくまで「原因を特定しにくい」という点です。
「原因がない」と勘違いされがちですが、症状が出ているということは必ずその原因はあります。
過去の生活習慣などが長い経過の中で複雑に関係し合っているので、明確に原因が特定しにくいのも慢性化しやすい原因と言えるでしょう。

《腰痛の原因は？》
主な腰痛の原因は、デスクワーク等で動く量そのものが少ないことや、腰に反復した強い負担のかかる生活習慣・仕事です。ほかに慢性的な運動不足、身体の柔軟性の不足、習慣的な緊張状態、偏った食事、習慣的な飲酒・喫煙、慢性的な水分不足、睡眠不足などがあげられます。
ここ最近では、精神衛生上の問題も大きく取り上げられるようになってきており、不安やストレスも腰痛の原因となっています。腰の違和感から病院を受診し、言われるがままレントゲンを撮り、それを確認することで、大きな問題がないのに潜在的に腰痛を自覚してしまうというケースも少なくありません。それだけ、精神面の状態と腰痛は密接に関係しているのです。
ここ最近、自律神経やホルモンバランスの乱れと腰痛の関係性も耳にするようになりました。その原因となる対象が目に見えにくいだけに、余計に原因が複雑化するのが頷けます。

《改善のためのポイント》
・決められた姿勢で長時間いないこと
・ストレッチなど適度に身体を動かすこと
・水分をきちんと摂取すること
・睡眠時間を確保すること
・気分転換をはかること
・暴飲暴食を避けること
・内臓を休ませること　　　　など

基本は、生活上でも仕事上でも身体を固めないというのがポイントになります。「運動なくして腰痛の改善はなし」と言われているくらい、じっとしていることは身体への悪影響は大きく、適度に動くことが非常に大事です。
運動というと習慣がない方は大きく身構えてしまいがちですが、もっと簡単なもので大丈夫です。
着替えて運動靴を履いて行うようなウォーキングや、体育館で取り組むようなものばかりが運動ではありません。
デスクワークの合間に背伸びをしたり、身体を揺らしたりする程度で効果はきちんと出て来ます。
一日の始めや終わりに行う短時間のストレッチでも十分に身体を調整していけます。 糖質をはじめとした現代食の過剰な摂取も、腰痛の引き金となります。内臓が疲労し、基礎代謝が下がることで、本来であれば当たり前に備わっているはずの回復する力が低下します。結果的に身体の姿勢や動きに影響が及び、慢性的な腰痛へと繋がるのです。特に、近年は基礎代謝の基本となる「純粋な水分」が不足している方が非常に多いように感じます。腰痛を改善し、体質を偏らさないためにも、積極的に水分は摂っていきましょう。