
「いつもの片頭痛」だと思っていたら…実は命に関わる状態だった話
「いつもの片頭痛」だと思っていたら…実は命に関わる状態だった話
「昔から片頭痛持ちだから。」
そう思っていた方に、実際に起きていたお話です。
今回ご紹介するのは、30代後半の女性の方。
私の知人からのご紹介で来院されました。
主訴は片頭痛。
来院時も、特別大きな異変を感じるような雰囲気ではなく、普段通りの流れで問診が始まりました。
ただ、お話を深く伺っていく中で、少し気になる点がありました。
その方は10代の頃から片頭痛を繰り返しており、頭痛自体には慣れている状態でした。
しかし詳しく確認していくと、ここ1ヵ月ほどで「今までとは違う感覚の頭痛」が混じっているとのことでした。
ここで少し違和感を覚えました。

さらに状態を確認していくと、頸部を一定方向へ動かした際に、頭痛が顕著に増悪する反応が見られました。
逆に、首の角度を戻すと頭痛が和らぐ。
何度か確認しましたが、かなり高い再現性がありました。
ぼんやりとした変化ではなく、比較的はっきりと症状が変わる状態です。
脈や自律神経系の反応も含め、総合的に確認していく中で、単純な「いつもの片頭痛」としては違和感が強くなっていきました。
もちろん、この時点で何かを断定できるわけではありません。
ただ、頸部の血管周囲に何らかの問題が起きている可能性が頭をよぎりました。
その日は夜の来院で、翌日は普通にお仕事とのことでした。
あまり強く不安を煽るべきではないとも思いましたが、このまま様子を見るのは危険だと判断しました。
そこで、可能であれば翌日に脳神経外科を受診していただきたいこと、現在の状態から考えられるリスクについて、できるだけ冷静にお伝えしました。
最初は「まさか」という反応でした。
しかし、しっかり受診をしていただけるようお話をさせていただき、その日は終了となりました。
その後、しばらく連絡はありませんでした。
ところが約1ヵ月後、その方から突然お電話をいただきました。
実は半信半疑ながらも、翌日の午前中に仕事を休み、脳神経外科を受診されたとのことでした。
すると、検査後すぐに入院。
診断は、「頸動脈解離」でした。

頸動脈解離とは?
首には、脳へ血液を送るための重要な血管(頸動脈)が通っています。
頸動脈解離とは、その血管の壁が傷つき、血液が壁の内側へ入り込んでしまう状態です。
状態によっては、
脳梗塞や重篤な神経症状につながることもあり、
早期発見が非常に重要になります。
実際には、
「いつもの肩こり」
「いつもの頭痛」
と思ってしまうような形で始まるケースもあります。
そのため、
“今までと違う感覚”を軽視しないことが大切になります。
動脈は三層構造になっていますが、その内側2層までが損傷し、残る1層で耐えていた状態だったとのことでした。
「最初は何が起きているのかわからず、頭が真っ白になりました。でも、本当に受診して良かったです。」
そうお話しされていたのを、今でも鮮明に覚えています。
私自身も、本当に良かったと安堵しました。
同時に、あの時に違和感を流さず、深く確認して良かったと強く思いました。
そして改めて感じたのが、この仕事には“判断”が求められる場面があるということです。
つい、「自分がなんとかしよう」と考えてしまいがちですが、整体院で対応するべきラインと、病院受診を優先するべきラインは、しっかり分けなければいけません。
今回のケースは、私自身にとっても忘れることのできない経験になりました。
「いつもと違う感覚」を軽視しないこと
長年付き合っている症状ほど、
「いつものことだから」と思い込みやすくなります。
ですが、今回のように、同じ“頭痛”でも中身が違うことがあります。
・今までと感覚が違う
・痛み方が違う
・急に強くなった
・首の動きで変化する
・違和感が続いている
こういった変化は、大事なサインになっていることがあります。
もし不安がある場合は、一人で抱え込まず、早めに医療機関へ相談してください。
アストケアでも、状態によっては病院受診を優先していただくケースがあります。
安全面を大切にしながら、必要な判断を行っていくことも重要だと考えています。

